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中国ゴム技術展示会(Rubber Tech China2024)に 参加、中国EV車を観察

2024年9月19-20日に中国 上海で開催された、RUBBER TECH CHINA ゴム技術展示会に参加しました。私はほぼ毎年参加していますが今年は昨年よりちょっと出展社、参加者数が少ない感じがします。中国のゴム産業のスローダウンでしょうか? それでも800社の出展、展示会参加者が4万人ぐらいいます。

中国ゴム工業協会(日本ゴム工業会+日本ゴム協会みたいなもの)が中心となってこの展示会を主催しています。知り合いの中国ゴム工業協会会長 徐文英女史に挨拶。徐会長はいままで2回来日しており、その時に私が日本ゴム協会の依頼で通訳をやりました(英語-日本語)。写真の左から中国ゴム工業協会のタイヤ分科会史一峰分科会会長、加藤、工業協会の徐会長、加藤産商上海の徐顧問。日本ゴム協会のIRC2026愛知のPRもしてきました。

タイヤ分科会の史会長と話すと、中国のタイヤ産業はTBRはすでにピークとなり、これ以上は増えない。PCRはまだまだ増える。 SSBRの話になり、今後中国では省燃費タイヤの規格GB9743が定まるので、その後省燃費タイヤが増えるであろう。ただSSBRの国内品が少ないのでそれが問題だとのこと。

中国でもEURD準拠の天然ゴムが海南省で生産を始めました。また中国企業がアフリカのコートジュボアールでEUDRの天然ゴムを作り始めています。雲南省の天然ゴムは国が軍事上GPSを使わせないので、EUDR準拠品がないとか。

中国のタイヤもほとんどがスチールコード化しているらしい。

ゴム材料はさすが中国なんでもあります。ゴム薬品は相変わらず30社以上の出展しています。

めずらしい出展がありました。イランの合成ゴム会社TJPC社です。

この合成ゴム会社は元はIRAN-JAPAN石油化学 IJPCです。合成ゴムSBRは日本合成ゴムの技術です。ほとんど工場が完成したところで、イラン革命が起こり事業が中断し、1980年にイランイラク戦争で工場が爆撃をうけ、結果日本側は工場を放棄、それがその後国営会社を経てこの Takhte Jamshid Petrochemical Complex (TJPC) となりました。SBRが1500,1502,1507,1712等があります。https://www.tjpc.ir/en/products/sbr-Styrene-Butadiene-Rubber-Takhte-Jamshid-Petrochemical-Company なるほど、欧米、日本ではこの合成ゴムは買えません(支払いができない)が、中国には売れるのですね。人民元での決済か?

もちろんロシアの合成ゴム会社 SIBURの大きなブースをもっています。今や欧米、日本のタイヤ会社はロシア合成ゴムはウクライナ侵攻の影響で買えませんが、ロシアは中国、インドに合成ゴムをたくさん輸出しています。

ロシアSIBUR社の合成ゴム、ブチルゴム,ハロゲン化ブチルゴム、BR,NBR,SBR、SSBRのサンプル

会食後に上海市内でEV車の販売展示場所をまわりました。

BYDだけでなく、10社ぐらいのEV車が展示されています。

BYDが100万円のEV車を発表したそうですが、その車はまだありませんでしたが、欧拉社の180万円のEV車、ブランド名 好猫がありました。ちょっと小型ですが、内装もちゃんとしています。日本なら軽自動車の価格です。

価格は89800元(180万円)からです。よほど政府からの補助金があるので、この価格ができるのでしょう。それでも赤字か?

180万円EV車の内装、ちょっとシンプルであるが。180万円であれば十分です。

BYD車の展示もあり。9.98元(200万円)から12.98(250万円)ぐらいの車です。

ドアシール、ウェザーストリップも結構しっかりしています。

大型SUV車ですと25-30万元(500-600万円)ぐらいです。

トヨタもEV車を販売していますが、車種が少ない。

中国のEV車は内装が大型タッチパネルで、スマホぽいですが、トヨタの内装はこれは車っぽい。従来の自動車延長です。

中国のEV車はデザインは欧州車のように恰好がいい。

今回の中国出張は2日間でしたが、なかなか面白かったです。