今回延期とともに、規則の修正が決まりました。それは 国によっては、森林破壊のリスクがすくないので、その国は”NO RISK国”として、その国の天然ゴムはすべて OKにしようという 超法規的なやり方です。本来は、天然ゴム農園から、天然ゴム製造工場まですべてをロット別の管理して、農園は100Mx100Mに区分けして、その位置の地図情報も入れて、その土地が2020年以前に農園化された証明をして、さらに工場で不正労働がないことを示し、それらの情報を特別なファイルに入れて、提出しろという規制でした。 いままで本当に一生懸命に準備してきた天然ゴム会社、タイヤ会社は相当怒っています。有名なCMではありませんが、「そうであれば早く言ってよ。」人手も金もかけて準備したのに。ひどい!と。
天然ゴム以外の木材、パーム、カカオ、皮、その他は、余りにも準備ができていないので、たとえ1年間延期してもたぶん準備できない。合格できないと EU委員会は考えたのでしょう。そもそもアイデアは良くても、実行が難しい無理難題なところまで要求した規制だったのかもしれません。
天然ゴム業界で大騒動であった、EUの森林破壊防止規制(EUDR)が1年間延期になることがEU議会で11月14日に正式に決まりました。そのEU議会ニュースの本文(英語)は https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20241111IPR25340/eu-deforestation-law-parliament-wants-to-give-companies-one-more-year-to-comply にあります。
どの国がRISK FREE 合格国になるか 25年6月末までに決定するとしています。アフリカのコートジュボアールはOKになるでしょうがタイ、ベトナムはどうか? インドネシアとインドはOKにならないか?
これらが25年6月までにきまるでしょうが、どういう交渉が始まるのか? それぞれの国の窓口が決まって(たぶん農水省みたいなところ)そこが音頭をとってやらないといけないでしょう。そういう意味ではタイ、ベトナム、コートジュボアールは国がその交渉をやるでしょうが、他の国はやれるのかな?天然ゴムに熱心でない国は国が交渉に動かないのでこの規定は使えないでしょう。
なにかEUに有利になるような動きだと思います。EUのタイヤ会社が熱心に天然ゴム農園開発をしてきたコートジュボアールだけがOKになる可能性があり。結果EUのタイヤ会社だけがコストの安い(プレミアム価格でない)天然ゴムを入手できるようになるでしょうか?
写真はベトナムの天然ゴム農園