マーケット加藤’s EYE

欧米のタイヤ工場が再開、ブタジエン安、JSR合成ゴム 構造改革、製品構成見直し

相変わらず新型コロナウイルスの影響が世界中にでています。日本のゴム、タイヤ産業は4月から悪化しており、自動車ゴム部品メーカーでは5月が最悪になりそうです。一方中国のゴム、タイヤ産業は再開しており、また欧州では4月末から5月からどんどん工場再開のニュースがでています。北米でもタイヤ工場稼働再開のスケジュールがではじめています。米国コンパウンド会社によると、まだ自動車ゴム部品用がメインである工場は稼働率はまだ20%ぐらいだとのことですが、どうも最悪のピークは過ぎつつあるという感じです。日本は一周遅れで、これからでしょう。
ブタジエンの値下がりが止まりません。原油安、ナフサ安によるものですがついに$400/MT以下になりました。2か月前の半分以下です。国産ナフサは1-3月で¥44800/KLで決定しました。10-12月より¥3500/KL高、EPDMで¥8/kg高ぐらいか?しかし4-6月は2万円/MT以下になりそうで、このままいくと7-8月に合成ゴムは大幅安になりそうです。
JSRは4月27日に決算発表があり、そのなかで、エラストマー事業(特に合成ゴム)が赤字であり、今後構造改革をする、製品構成を見直しをするとの発表がありました。これは相当なことです。ブタジエン精製、E-SBR、NBR、BR、EPDM、ラテックスのどれかに対して大ナタをふるうということか? E-SBRとNBRは同じプラントだし、BRが千葉工場で単独分離?ラテックスはどうする?S-SBRは残すでしょう。今後に注目です。