加藤’s EYE

加藤事務所に、“かゆみともこ”さんのアート作品(タイトル:Harmony)がやってきた。

“かゆみともこ”さんは、アートやデザインの仕事以外に、心身の癒しや起業女子 & 障がい者の支援、物流加工など、多方面でご活躍されているアーティストです。その作風は、時間と共に物質そのものが変容して行く様を、いろいろな素材を組み合わせて表現するというもので、どの作品も生きる歓びと、すべての創造主への感謝と賛美が込められています。

弊社の加藤社長が、そのかゆみさんの作品や作風に惚れ込み、事務所設立20周年を記念して、ゴムをモチーフとした作品をオリジナルで創作していただけないかと熱望しておりました。

そんな荒唐無稽なお願いを かゆみさんは快くお受けいただき、この度その作品が完成して、オフィスへやってきました。

今回は、作品設置で弊社オフィスへおいでになった“かゆみともこ”さんに、その作品と創作活動についてお話しを伺いました。

Q1 最初、ゴムをモチーフとした作品をとの要望をうけられてどう思いましたか

かゆみ    別に戸惑いはありませんでした。実は20年近く前に、ロバート・ラウシェンバーグというアーティストの作品から影響を受けて、タイヤや板ゴムなど、ゴム素材を使った作品を制作したことがあります。

それが、現在の私の作風や制作スタイル(異素材を使った作品=ミクストメディア)の原点になっていることも思い出し、とても興味深かったです。

Q2 作品を作ろうと決められた動機は

かゆみ    個人的なことですが、2年前に洗礼を受けたこと、そして病気になって手術を受けたことで、作品を作る動機がガラリと変わりました。私自身も、この世に作られ、生かされている者として、作品を作ることに対して謙虚な姿勢になったかと思います。

今回ご依頼をいただき、加藤事務所様の設立20周年という大切な節目でとても恐縮する思いがありましたが、「ゴム素材をモチーフとして」というご要望は、私にとっても原点に還ることを思い出させていただける作品を作れる機会でもあり、神様の導きのように感じて、初心に返るつもりで制作しようとお引き受けいたしました。

Q3 この作品にどのような思いを込められましたか(テーマ)

かゆみ    これは聖書のなかにもある言葉ですが、私達人間の一つの身体は、数多くの部分から成りたっています。 そして、その一つ一つの部分が必要な存在であり、必要な働きをしています。しかも、体の内では分裂が起こらず、各部分が互いに配慮し合っています。

同じようにこの世界でも、様々な人種が存在し、様々な文化、性質が組み合わされて、構成されています。異文化同士はぶつかり合い、融けあい、お互いに影響しあいながら、一つの世界を構成しています。

私たちの体の中で起きる神秘的な秘密を知った時、きっと世界も、分裂が起こらず互いに配慮しあい、この世界をより美しく創り上げることができるにちがいありません。そして、人と人、素材と素材、人と素材の新しい出会いがあってこそ、新しい未来が創られていくのではないでしょうか。

「私たちはこの世界の体であり、また、一人一人はその部分です。」

このような願いを込めて、違った素材が融合された作品を創りました。

Q4 この作品の創作に一番苦労されたことは

かゆみ    実は苦労と思えることは全くありませんでした。作品を制作すること自体、楽しく喜びの時間でした。

Q5 今後のご活動の予定は

かゆみ    代官山のギャラリーARTS RUSHさんで、作品の常設展示をしていただいているのですが、そのギャラリーの企画展は年に数回参加しているので、今後も参加する予定です。また、多摩美術大学の同期の卒業15周年記念の展覧会を来年開催予定で準備をしています。いずれもコロナの影響もあり、時期は未定ですが。

かゆみともこさん ありがとうございました。

かゆみさんのインタビューを終えて、この作品に流れるテーマを理解するとともに、かゆみさん自身の心の暖かさや純粋さが、ほのぼのと感じられたことが印象的でした。しかし、やはりアーティストはことばをその作品で語るといいます。実際の作品に触れた時は衝撃的で、その作品の圧倒的な美しさに言葉を失いました。作品は加藤事務所のロビーに飾られております。みなさんもぜひ作品を見においでください。

<作家プロフィール>

家弓朋子(かゆみともこ)

1982年東京都生まれ。アトリエリュミエール主宰/造形美術作家。

多摩美術大学卒業後、活動拠点をフランスに置き、国内外で展示活動。

帰国後、アトリエワイエスにて表現アートセラピーでのセルフメディケーション及びトレーニングコース修了。アートやデザインの仕事以外に、心身の癒しや障がい者の支援、物流加工のサポート等様々な仕事に従事。生きる歓びと、すべての創造主への感謝と賛美を込めて、作品を制作している。

<主な活動>

受賞
TAMA ART COMPETITION クサカベ賞 / Solidarite culturelle francaise(フランスアート連合FNCF主催)銀メダル

個展
SUBACO gallery(東京)/ギャラリー代々木(東京)/ギャラリー銀座フォレスト(東京)/ギャラリーアットザハイアット(大阪)/レクサス泉北(大阪)/個人宅(パリ/フランス)

グループ展
galerie de la fontaine(ジュネーブ/スイス)/「Salon des artistes contemporains」(オンフルール/フランス)/「Le N.A.C a 25 ans」パリ日本文化会館(パリ/フランス)/「Exposition Premices」(ヴェルサイユ/フランス)/「治癒アート」MASAJI ART(福岡)/「6thプサン国際環境芸術祭-BIEAF」Ulskdo Art Center(釜山/韓国)/「J-ARTS」IPSE. PROJECT(トゥール/フランス)/「ART en CAPITAL」グラン・パレ(パリ/フランス)/「CROSS 2007 JAPAN-韓日現代美術展」銀座柴山画廊(東京)/ Espace Culturel Bertin Poiree(パリ/フランス)/「Chance Encounters」セイラムギャラリー(ニューヨーク/USA)/「7th S.I.C.F」スパイラルホール(東京)/「日韓交流美術展」釜山市立美術館(釜山/韓国)/「国際アートフェア」済州国際コンベンションセンター(済州/韓国)/「15th L.A国際アートフェスティバル」(ロサンゼルス/USA)

常設展示
Arts Rush(東京) / 舞台美術提供 Tokyo Church of Christ(東京)