加藤’s EYE

発散しよう!コロナストレス ゴム商社マンの世界オフショット紀行②~イスタンブールからテヘランへ

今回の出張はトルコ・イスタンブールからイラン・テヘランの渡航。それでなくてもミステリアス満載な都市を渡り歩くゴム商社マンは、どんなオフを満喫したのでしょうか。


2015年10月某日

多様な文化が入り交じるトルコ最大の都市・イスタンブール。東西文化の合流点であるこの都市では、アジアとヨーロッパ大陸が大きなつり橋で結ばれている。

かつて、広範囲を支配したオスマン帝国時代から受け継がれる文化は、食やモノ、景観などに今もなお大きな影響を残す。

まず食だが、本来エスニックとは東南アジアを中心とした食事に使われるようだが、そんな食事は日本で食べ慣れてしまったせいか、この都市の料理こそ強烈なエスニック的なインパクトがある。本当に美味しいのだ。

周知のように、トルコはイスラム教の国。せっかくなのであまり触れることないイスラム文化を堪能しようと、地元のガイドを頼んで有名なモスクを見学。それからマーケットを歩いたのだが、まさに12世紀頃にその原型が完成された『千夜一夜物語』の世界が目の前に現れたようだった。

イスラム文化の幻想世界をさまよう中、市場でいきなり現実へ引き戻される。ガイドが導く店で高額なペルシア絨毯を買わされそうになったのだ。なんとか市場から逃れてホッとしたのも束の間、後日このマーケットではテロがあったことを知り背筋が寒くなった。

イスタンブールを後にして、イランの首都テヘランへ飛ぶ。テヘランは高地にあり、北の山には雪。その山の向こうは旧ソ連領。

現在(当時)米国の経済制裁中であるが、街は結構活気があり、イランでは新車を年100万台ぐらい生産していると聞いた。今回はベトナムの天然ゴムをイランのタイヤメーカーに売り込みに乗り込んだのだが、元日系タイヤ工場であったイランのタイヤ会社もあり、30年前の某日本のタイヤメーカーと同じ配合表を使っていることを知り驚いた。しかも、タイヤ工場で現在も生産されているタイヤのブランド名が「BRIDGESTONE」ではなく「BIRDSTONE」なのである。

クレジットカード(VISA、マスターカード、アメックス)が当然使えない。でも街にはドルとイラン通貨の両替店があり、米国の経済制裁中なのに、不思議な感じ。当然闇両替レートがある。

イスラム教が主流のため、当然酒はだめ。私も食事の際はノンアルコールビールを飲んだ。

街を歩けば、大半の女性が顔を隠すか、ベールを被っている。ベールの奥からのぞく、つつましくもセクシーに輝く緑の瞳。自分が見つめられているような気がするのは錯覚だろうか。いやそんなわけは…妄想の矛先を食欲に変え、街のケーキ屋さんに飛び込んで、ケーキ―とコーヒーを頬張る。それがまた意外と美味かった。