マーケット加藤’s EYE

中国景気の減速は続くか?すぐに戻るか?

6月はメキシコ、米国に出張して、16社ほどユーザーと加藤産商の拠点2か所を回ってきました。7月にはタイとインドネシアに出張して、ユーザーを10社ほど訪問してきます。7月7日には日本ゴム工業会 中小企業委員会で最近のゴム原材料マーケットの講演をします。 トップの写真はメキシコ 加藤産商の事務所があるIraputo市の中心部の様子です。

 最近天然ゴムのシンガポール相場、上海相場の価格が4月から下がっています。上海のロックダウンで今後中国各地で新型コロナが拡大して、景気が減速する、タイヤ生産が減ることを予想して、天然ゴム先物買いを控えているのがその要因だと思います。 日本の天然ゴム相場価格は円安が進んでいるので円ベースでは価格が下がっておらず、6月以降上がっていますが、海外では天然ゴム価格は下がりつつあります。

Investing.com RSS3の先物受渡 価格動向、シンガポールSICOM 単位USCent/kg

6月23日に日本経済新聞朝刊では、タイのゴム手袋大手メーカーの株価が下がっていることに関して加藤事務所加藤がコメントさせていただきました。

6月23日日本経済新聞朝刊 より

 今後どうなるか? 先週の私と、カーボンブラック世界最大手メーカーの幹部との会議では、その幹部によると、この景気減速はすぐに回復する。景気が悪くなると、中国政府は何か対策を取り、景気が悪くならないようにするだろう。とのこと。私も同じ予想をもっています。世界的には新型コロナから回復時期(またはWITH CORONA時代)になり、経済をなんとか回そうとしています。 今は半導体不足の影響が残っていますが、自動車を買いたいといる需要は根強いです。これ以上中国の景気が腰折れしたら、中国政府がなにか景気カンフル対策をやるでしょう。秋の党大会もあるでしょうから。

よってゴム原材料の価格は高止まりです。原油高、円安、ウクライナ侵攻問題と 原材料が、不足気味、価格は高いままです。合成ゴムも8月からは大幅UP¥50~80/kgUPになるでしょう。カーボンブラックも上がる。合成ゴムのナフサリンク以外の、ベース価格UPもどんどん決まるでしょう。ゴムコンパウンドの、原料価格リンク以外の、ベース価格UPも交渉がどんどん決まるでしょう(すでにベース価格UPはバンバリー練りを中心に進んでいます。今後はニーダー練りでも、電力代、包装資材代、人件費UPを理由にベース価格UPをせざるを得ない状態になっています)

また最近はゴム会社、ゴム原料メーカーでの人手不足、人件費UPがひどく。とにかく人が採用できない。という問題が起こっています。海外から外国人労働者が新型コロナの影響で入国できない。これも問題です。

ゴム製品の製造コストが大幅に上がってきています。

写真は米国出張での米国 ローカルのゴム糊大手メーカー訪問時、またメキシコ 日産自動車No2工場(アグアスカリエンテス)です。

米国 ゴム糊り加工会社