今回の記事は、メキシコへ業務出張した当社社員が担当します。
成田からメキシコシティそしてレオンへ。計17時間のフライトを終え、やっと現地に到着しました。最近の海外出張は台湾ばかりだったので、アメリカ大陸にくるのは10年ぶりです!
今回は、台湾のゴム用機械の製造ライン一式をここレオンへ納入する仕事できています。台湾メーカー技術者がビザの関係でメキシコ入国が遅れ、機械納入時に立ち会えないので、当社社員が台湾技術者に代わる立場となり、現地業者を指導し、機械を据付するというとても重要なミッション。約1カ月かかる据付試運転作業を当社3人で順番に現地を訪問して、量産できる状態にしていきますが、私はそのトップバッターとしてこの地にやってきました。
さて、自身にとっては初めて来るメキシコ。危険情報ばかり目につくこの国ですが、実際はどんな国でしょうか。
<まず、物価はどうなんだ?>
メキシコシティでトランジットがあったので、次の飛行機を待つ間空港内のショップを探索することにしました。まあ!物価の高さに驚きです!

空港構内のセブンイレブンで販売していたおにぎりの価格です。$85($1×8円)なので、現在のレートでは日本円で680円します。後日現地のスタッフに聞くと、空港内は一番物価の高い場所との事でしたが、それにしても高い!いくら空港内は価格が高いといえど、異常な高さの様に感じます。買う気も起らず水(150円)だけ買いました。
その後現地に到着して街に出ても、外食時のレストランや街中のスーパーでの食材の値段が日本より高めです。確かメキシコの平均年収は約165万円。平均月収は13万7800円で、日本よりもはるかに少ない金額になります。(2024データより)このような物価高では、現地の人がゆとりのある暮らしを持つのはなかなか難しいと思いました。ただこの国は左派が強い国ですので、毎年1.2倍程度の給料ベースアップ、会社から食事の補助券の発行、年間の積立金を会社が半分負担するなどして、現地の人の生活を補っているようです。
<強烈な時差ぼけに打ち勝つ方法は!?>
目的地であるレオン空港に到着したものの、とにかく眠い。時差が15時間あり、体は完全に寝ている状態。強烈な時差ぼけを感じていました。しかし、不思議とおなかは減り、食欲に時差ぼけはないことを実感。
空港では、現地の業務パートナーのM氏が迎えに来てくれ、私の眠らない食欲を察知していただき早速ランチに。楽しみにしていた現地のタコス屋に連れて行ってもらいました。



現地のタコスはいろいろな種類があります。揚げた豚に野菜を載せチリソースをかけたもの、煮込んだ牛肉を細かくして細かく砕いた唐辛子と野菜を混ぜ合わせたもの、揚げた豚肉を細かくしてオイスターソース(みたいな)とからめたようなもの等。中身の組み合わせを選べたり、その店特有のタコスがあったり、バリエーションが豊富でした。
本場タコスに舌鼓を打ち、食欲を満足させたその後は強烈な睡魔に襲われダウン。結局時差ぼけは治らず、その後も3時間以上の連続睡眠をすることは出来ませんでした。時差が大きいアメリカ大陸の出張は、本当に体力勝負ですね。
<メキシコって本当に治安が悪いの?>
メキシコといえば、アメリカとの国境地帯の治安が悪いので有名ですが、今回宿泊しているイラプアト(Irapuato)は、メキシコの中部に位置する都市でグアナファト州に属し、その州内で2番目に大きな都市です。中心的な経済活動としては、農業や食品加工業が挙げられ、メキシコ国内だけでなく、世界各地に製品を輸出しています。また、グアナファト州の他の都市に比べて、比較的平和な治安を保っていることも特徴です。
しかしながら、誰に聞いても夜はホテルの外に歩いて出回らないようにと忠告を受けました。やはりここでも、最近日本人3人がホテルの前で強盗にあったそうです。落ち着いているように見える街ですが、どこかで危険な目が自分を見ていると思うと、いくら好奇心旺盛な自分でも夜はどこへも行けませんでした。
<ところで、仕事はどうなったの?>
ゴム用機械の製造ライン一式を入れるという大ミッション。もちろん忘れてはいません!
コンテナ7本が次々と到着し、現地業者と一緒にコンテナから機械を引き出し、指定された場所に置いていきます。

コンテナの高さに対してギリギリの高さの機械が多く、コンテナから機械を引き出すのに時間がかかりましたが、何とか全ての機械をコンテナから引き出せました。分解した機械を組み立て、指定され場場所に設置し、私の任務は完了しました。来週からは別の社員が台湾技術者と続きの作業を行います。
長期出張で特に時差がある国にいる時は、日本での仕事がオンタイムでできないことが多く、バックオフィスを支えてくれているスタッフには本当に感謝することが多いです。今回の旅でもフォローしてくれ、とても助かりました!
<メキシコでは仕事と危険情報で緊張の連続だった?>
いやいや、出張の合間、土曜日が半日仕事となり、M氏と現地スタッフがグアナファト(Guanajuato)に連れていってくれました。
豊かな銀山で栄え、コロニアル建築で有名なグアナファト。青、赤、黄色、茶色等カラフルな歴史的建築が並び、とても美しい街並み。


多くの観光客が見受けられるなか、私たちも街中を散策し、美味しいグアナファトの料理を食べ、その後はメキシコビールとテキーラ。そして最後はラーメンならぬタコスで締めるなど、かなりリラックスした時を過ごせました。
この美しい街では、陽気でおおらか、細かいことにあまりこだわらずフレンドリーな人たちに多く出会いました。パーティー好きで、 時間にとらわれることなく今を楽しもうとする本来のメキシコ人の気質を強く感じることができました。
<結局、メキシコって国の印象は?>
危険なイメージが強いメキシコですが、今回の出張では危険を感じることはありませんでした。基本的にホテルと工場の行き来だけなので、危険そうな場所に行く機会が少なかったというのが正しいかもしれません。
メキシコ人はラテン系ということもあり、とても陽気で、今回仕事でコミュニケーションを取った人たちは良い人ばかり。食事も美味しくとても良い印象でした。時差ぼけに打ち勝つ体力があるうちに、また訪問したいと思います。
最後になりますが、Mさんには、出張の段取りやこちらでの生活をサポートして頂き、大変お世話になりました。ありがとうございました!!