新年早々の風物詩となった全国高校サッカー。本大会の決勝戦も2日前にチケットが完売。6万人が見守る中、その熱戦にかなり盛り上がり、結果神村学園の優勝で幕を閉じました。
その他正月にはスポーツ特番で色々なスポーツ競技を目にすることが多くありましたが、その中でスポーツ用具、特にゴム部品が使われているものに目が行ってしまうのは、自分の性(さが)なんでしょうか。ゴム営業マンとして永年経過すると、ゴムばかり追ってしまうゴム人間になってしまったようです。
そんなゴム人間の私ですが、ついつい目に入ってしまったスポーツ用具の中で、今回は『卓球ラケット』について紹介させて頂きます。
<卓球ラケットの構造概要>
一般の人からプロ選手に至るまで、ゲームをするには卓球ラケットが不可欠です。そして周知のごとく卓球ラケットにはラバーが貼り付けられておりますが、このラバーが実は非常に重要な役目をはたしています。
卓球ラバーは、表面ゴムのトップシートとクッションの役目をするスポンジの2層構造で出来ています。
表面ゴムは天然ゴムを配合して作られており、ボールとの接触面により回転性能や打球感が得られ形状や硬さで性能が変わります。 2 層目のスポンジ層はクッションの役目をしますので打球時の衝撃を吸収・反発性能が重要となります。 このスポンジ層の厚さや硬度でスピードやコントロール性能を変化する事が出来ます。
<ラケットの規格について>
- 適用される規則
- ITTF(国際卓球連盟)競技規則をベースとして、日本の公式大会は 日本卓球協会(JTTA) が準拠しております。(内容は基本的にITTFと同一)
- ラケットの基本規格
- ラケットの形状・大きさの制限はなく、丸・角丸・変形すべて可能です。ただし平らで硬く、連続した打球面であること。そして材質については、全体重量比の85%以上が天然木であることが必要だと定められております。
- ラバーの規格(最重要)
- 使用可能なラバーの種類は、すべてITTF公認リスト掲載品のみ使用可となります。従って、ラバーを成型しているメーカーは、天然ゴムの国や農園などの指定や天然ゴムの色まで管理して購入しているようです。
- 製品によってはベースになる天然ゴムに他の合成ゴムを一部ブレンドしてラバー表面の状態を変えているものもあります。その他、配合等については各社のノウハウで企業秘密となっています。
- ラケット製造での禁止事項
- ラケットのラバー部分の加工・改造について以下の禁止事項が定められています。
- ラバーの削り
- 表面処理(ブースター、溶剤)
- 異物混入
- 表面粗さの改変
- とにかく、製造時の状態を変える行為は原則違反なのです。
- ラケットのラバー部分の加工・改造について以下の禁止事項が定められています。
- 試合前検査(ラケットコントロール)
- 試合使用のラケットには、試合直前に以下の検査がなされます。
- 厚さ測定
- 反り確認
- 色・公認確認
- VOC検査(スニファー/卓球における「スニファー(Sniffer)」は、主に公式試合の用具検査(ラケットコントロール)において、ラバーや接着剤から発せられるVOC(揮発性有機化合物)の匂いを検知する作業です。
- 試合使用のラケットには、試合直前に以下の検査がなされます。
卓球ラケットについてはこのように規定されていますが、オリンピックを含めた国際大会でメダルを取ることが義務付けられているような国では、代表に選ばれた選手は負けることが許されません。そんな状況下で、時折国際大会でラケットに細工をする不正が垣間見れることがあります。少し手を加えることで反発力や摩擦力を変えることができ、重量が軽い卓球の球に、簡単でしかも驚くほどの影響を与えることができるのです。
不正の内容としては、ブースター塗布、ラバー削り、表面溶剤処理、規定以上の厚さ加工、非公認ラバーの使用 等。
もちろん不正が露見したら失格になりますが、実際ブースター塗布などは、簡単に判別できないそうです。日本のトッププロの水谷選手は、これらの不正をITTFが正さないのであれば、大会をボイコットすると宣言したこともあったくらいです。

大会競技であれば厳しい規格で管理したラケットを使用すべきですが、その一方で、遊びで使用するラケットであれば、色々な種類のラバーがあっても面白いかもしれませんね。
例えば、
- BRをメインポリマーとした反発弾性にとにかく特化したラバー(スマッシュスピードを求める人や力強くラケットを振れない人用)
- IIRをメインポリマーとした低反発に特化したラバー(ついつい力が入ってしまう人用)
- 配合剤で粘着性のあるものを入れて表面にベタベタ感を付けたラバー(変化球に磨きをかけたい人用)
ゴム業界の人間であれば、配合変更、調整でラバーの物性を変えることができるのは容易に想像つきます。カスタマイズされたその人にあったラバーがあり、それを選定して卓球を楽しむのもまた一興ではないかと思いました。

