コンサルティング原材料(ゴム薬品)

フッ素ゴムがPFAS問題で使用できなくなる可能性あり

いまフッ素ゴムを使用する会社で問題が提起されている問題。PFAS問題があります。ECHA(欧州化学品庁)ではPFAS( ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称です。種類は4,700以上といわれています。フッ素ゴム、フッ素樹脂も含まれます)の製造、使用を制限しようとそのEUでの制限提案を2023年3月に公表しました。この制限案によると、制限発効から1.5年後にすべて製造、使用が禁止になります。この案のままでいくと、フッ素ゴムが製造、使用が禁止になります。フッ素ゴム部品(ガスケット、シール、ホース等)を含んだ自動車がEUで走れなくなります。現在世界大手フッ素ゴム会社はEUにてフッ素ゴムを製造していますが、これも製造禁止になります。

2023年5月中旬までに第一次締め切り、最終締め切りは9月25日で現在パブリックコメントを募集中です。

禁止が予定されているフッ素化合物4700種以上あります。確かに低分子量(分子量がC8以下?)は有害で、発がん性が疑われていますが、フッ素ゴムは、分子量は最低で数千から、数百万であり、そのまま体内に入る可能性が大変少なく、この有害性は今のところ聞いていません。

一方フッ素ゴムは自動車産業をはじめ、 半導体製造、化学プラント、医療、産業機械、宇宙産業、防衛産業で使用されており、このフッ素ゴムに代わるエラストマーは現在ありません。フロロシリコーン、パーフロロ、フッ素樹脂も当然、使用禁止のリストに入っています。

フッ素ゴム製造各社、フッ素樹脂製造各社、日本弗素樹脂工業会では、ぜひ皆さんもこの欧州化学品庁のサイトにパブリックコメントを書き込んで、フッ素ゴム、フッ素樹脂は社会経済的に不可欠であることを、皆さんで言ってください。とお願いしています。

http://www.jfia.gr.jp/regulation.html に日本弗素樹脂工業会のサイトにその方法が詳しく載っています。

パブリックコメントの入力のやり方 http://www.jfia.gr.jp/pdf/Howto_pub-comme_on_EuroPFAS.pdf にあります。 

実際のパブリックコメントのサイトは  https://comments.echa.europa.eu/comments_cms/AnnexXVRestrictionDossier.aspx?RObjectId=0b0236e1885e69de です。このサイトからパブリックコメントを入力します。英語での入力になります。

また日本フルオロケミカルプロダクト協議会(日本のフッ素ゴムメーカー関係社のサイト)のサイト https://www.cfcpj.jp/european-pfas-lp.html にフッ素ゴム関係の説明が丁寧になされており、その中の 欧州PFAS制限案に関するパブコメガイダンス資料 ダウンロード  https://www.cfcpj.jp/pdf/fcj_pbcm_guidance.pdf  

では、そのパブリックコメントのコメント送付のやり方が書いてあります。大変参考になります。

パブリックコメント送らないと、
一般的に、意見を出さないことは、個社/団体が、制限提案を認めたことになる
と言われています。(代替物、適用猶予期間への反論、記載のない用途について要記述)
又、パブリックコメント提出者に、個別に意見を求めてくる場合もあり、コメントを出さないと交渉のテーブルに乗らないことになります。そのため、個社・団体、双方の意見書(パブリックコメントの提出)が大切であると考えます。

今回は用途別の規制ではなくフッ素ゴムについては、FULL EXEMPTION (フッ素ゴムは今回のすべて規制からは除外)とすべきと加藤事務所は考えています。 

日本フルオロケミカルプロダクト協議会のサイトのダウンロード資料 https://www.cfcpj.jp/pdf/fcj_pbcm_guidance.pdf の11ページ目にある同協議会の意見

「既に規制されているPFOSやPFOAと同等の懸念物質として、難分
解であることを根拠とし、10,000種類を超える有機フッ素化合物(PFAS)を
一括りに規制する提案は、過剰な措置であると考えています」に加藤事務所は賛同します。

 加藤事務所、加藤も早速 このパブリックコメントのサイト https://comments.echa.europa.eu/comments_cms/AnnexXVRestrictionDossier.aspx?RObjectId=0b0236e1885e69de  で意見を入力して、フッ素ゴムが生活に不可欠な物質である。関連会社(埼光ゴム)ではフッ素ゴムを使用していて(練り、加硫して、成型していて)今のところ問題は発生していない。 フッ素ゴムがなくなると、自動車が製造できない。産業機械が製造できなくなる。半導体が製造できなくなる 等を記入しました。

だいたい5分ぐらいで入力が終わり、最後に 送付のボタンを押すと、メールで 受け付けましたの返信がきます。

この世界でフッ素ゴムがなくなると困りますので、パブリックコメントを欧州化学品庁に提出しました。