2023年6月にヨーロッパに出張にいってきました。ドイツのゴム薬品会社、イタリアのゴム機械(ロール、カレンダー、タイヤ試験機、タイヤリトレッド機械)、フランスのゴム薬品会社に訪問して、どの会社でもそこの社長さんと面談してきました。
今回4年ぶりのヨーロッパでしたが、前回と比べて、物価がとにかく上がっています。人件費もどんどん上がっています。ウクライナ紛争以降、電気代が大幅(倍ではなくフランスでは家庭用電気は3倍以上)に上がっています。ドイツでは産業界用の電力料金を大幅に上がり、フランスでは産業用はそれほど上がらなかったそうですが、LPGをはじめ燃料コストは一時は4倍になり、工場運営コストも大変だったそうです。ここにきてLPG価格は大分下がってきました。人件費はこの数年年率8%以上であがっているので、感覚的には全部で20%以上あがりました。これではヨーロッパの製品価格があがるわけです。
米国でも上がっていますので、あがっていないのは日本だけ?
ホテル代も信じられないほど高騰して、特に日本円(1ユーロが155円)で計算すると、日本の3倍以上です。フランスのボルドーでは2つ星のホテルにとまりましたが、部屋は日本の地方のビジネスホテルよりずっと狭く、それで1泊22000円、ちゃんとしたホテルになると1泊4万円以上。ミラノでも同じでした。
日曜日にドイツのBMW博物館にいきました。1955年ごろBMW社が、イタリアのイソ社からの委託生産でつくっていたISETTA車が展示されていました。タイヤがブリヂストンのタイヤでした。そのころ日本から輸出していたのでしょうね。古い車は英国AVON RUBBER のタイヤをはいていました。
BMW博物館には電気自動車 iX xDrive40が展示されていました。中の部品がよく見えるように展示されており、写真のとおり、エンジンルームには冷却用のゴムホースがたくさん搭載されていました。EV車でもゴムホースは増えると言われていますがそのとおり。
ミラノでは、当社が輸入代理店をしている ゴムロール、ゴムカレンダー会社を訪問、製造中のロールやカレンダーを見せてもらいました。今度9月21日に日本ゴム協会関東支部見学会でこの会社から中継で工場見学します。乞うご期待。この見学会では、イタリアからと、さらに日本のゴム加硫、老化防止薬品メーカー、大手ゴム練りメーカー、粉末硫黄メーカー、カレンダー加工メーカー、台湾のゴム成型機メーカーからのオンライン工場見学となります。
この会社は世界で初めてゴム用のカレンダー機を生産した会社です、1号機が玄関に飾ってあります。
ドイツではゴム薬品会社に訪問、2代目社長とその息子さんと打合せ、工場見学も。加工助剤、特殊プロセスオイル、精練ラインのゴム薬品も作り、 木材のチェーンソー用の潤滑油も作っており、ウクライナ紛争以降、原油、天然ガスのエネルギーコストがあがり、家庭では薪を燃やして暖を取ることが増え、よって伐採用木材が増えて、チェーンソー潤滑油が売れたとか。
今回は旅費を抑えるため、トルコ航空で往復しましたが、トルコ航空機は日本から中国と、カザフスタン、ウズベキスタンの上をとおり、カスピ海から黒海の上をとおってイスタンブールに到着します。黒海の上では右手にウクライナ、クリミヤ半島が見えます(実際には雲でよくみえませんでしたが)。ダムが破壊され大洪水になった川も飛行経路の画面にでてきます。
ただ乗客はあまり関心がないようです。だれも右側をみていません。今回ドイツ人、フランス人、イタリア人と話をしましたが、皆この戦争は長引く、すぐには終わらないと言います。ヨーロッパは2000年前からもどこから常に戦争がおこっていました。その感覚からすると、今のヨーロッパ人にとって、近くで戦争(紛争?)が起っていても、あまり大騒ぎしない、いつもことだろ という感覚があるのかもしれません。
このブログは飛行機の乗り換え中のイスタンブール空港で書いています。この空港はWORLD MEETING POINTが合言葉で、ヨーロッパ人、アジア人、中東人、アフリカ人(さすがに今はロシア人は見かけないが)がたくさん乗り換え中です。新空港は非常に大きい。びっくりしました。空港内に国立博物館もあり。モスクワ行き、テヘラン行き、ベイルート行きの便も普通にある。トルコ人はしたたかです。ロシアとウクライナと交渉中にトルコであれば、トルコ航空はロシアからの攻撃を考えると今安全な航空機かもしれません。