コンサルティングマーケット加藤’s EYE調達、購買資材

EUDR規制(EUの森林破壊品輸入規制)からゴムベルトと一般ゴム製品が対象外になりそうです

2026年7月13日EUDRの修正規制案が公表になり、対象品から、輸入HSコード4010のコンベアーベルト、伝動ベルトと、HSコード4061のその他加硫ゴム(エボナイトなどの硬質ゴム以外で、HSコード40代でその他で規定されていないもの)がEUDR規制対象品から外れる可能性がでてきました。この案はEU委員会が発表したもので、これからEU議会で承認されれば、正式にこれらが対象外になることが決まります。

この「その他加硫ゴム(HSコードで4016)」とは、 以下の物以外の加硫ゴムで、つまり、天然ゴム、ゴムコンパウンド、未加硫のゴム板/ゴム棒/ゴムシート、加硫したゴムひも/ゴム糸/ゴム板/ゴム押出品/ゴムシート/発泡ゴムでこれらの加工していないもの、ゴム製衣服、手袋、ではない加硫ゴムを言います。よって、金型で成形加工したゴム部品、ゴム単身品、ウェザーストリップ、ゴムシール材、防振ゴム、いわゆる「ゴム部品」は対象外になります。タイヤは対象品です。ゴムホース、ゴム医療品(コンドーム)は初めから対象外品でした。

気をつけなければいけないのは、ゴムコンパウンド(A練り、B練り)はたとえ天然ゴム配合でなくても、EUDR対象品になっています。天然ゴムが入っていないゴムコンパウンドは、どうEUDR証明書類をつくったらいいのでしょうかね?

7月13日の正式な英文での公表文では(t) the entry ‘4001 Natural rubber, balata, gutta-percha, guayule, chicle and similar natural gums, in primary forms or in plates, sheets or strip’ is replaced by the following:
‘ex 4001 Natural rubber, balata, gutta-percha, guayule, chicle and similar natural gums, in primary forms or in plates, sheets or strip’;
(u) after the entry ‘ex 4008 Plates, sheets, strips, rods and profile shapes, of vulcanised rubber other than hard rubber’, the following text is added:
‘(not including used products and second-hand products)’;
(v) the entry ‘ex 4010 Conveyer or transmission belts or belting, of vulcanised rubber’ is deleted.
(w) the entry ‘ex 4012 Retreaded or used pneumatic tyres of rubber; solid or cushion tyres, tyre treads and tyre flaps, of rubber’ is replaced by the following:
‘ex 4012 90 30 Tyre treads’;
(x) after the entry ‘ex 4015 Articles of apparel and clothing accessories (including gloves, mittens and mitts), for all purposes, of vulcanised rubber other than hard rubber’, the following text is added:
‘(not including used products and second-hand products)’;
(y) the entry ‘ex 4016 Other articles of vulcanised rubber other than hard rubber, not elsewhere specified in chapter 40’ is deleted.
(z) after the entry ‘ex 4017 Hard rubber (e.g. ebonite) in all forms including waste and scrap; articles of hard rubber’, the following text is added:‘(not including used products and second-hand products)’in Article 3, point (1), of Directive 2008/98/EC) (not including used products and second-hand products)’

https://environment.ec.europa.eu/news/commission-updates-product-scope-and-tools-support-eudr-2026-07-13_en に詳細が載っています。

これを日本語化すると、7月13日の発表案では、

(t) 「4001 天然ゴム、バラタ、グッタペルカ、グアユール、チクルその他これらに類する天然ゴム(一次成形品又は板、シート又は帯状のもの)」を次の文言に置き換える。
「ex 4001 天然ゴム、バラタ、グッタペルカ、グアユール、チクルその他これらに類する天然ゴム(一次成形品又は板、シート又は帯状のもの)」

(u) 「ex 4008 加硫ゴム製の板、シート、帯状物、棒状物及び異形物(硬質ゴムを除く)」の後に、次の文言を追加する。「(使用済み製品及び中古品を除く)」

(v) 「ex 4010 加硫ゴム製のコンベヤベルト又は伝動ベルト又はベルト類」を削除する。

(w) 「ex 4012 ゴム製の再生空気入りタイヤ」 「ゴム製のソリッドタイヤ、クッションタイヤ、タイヤトレッド及びタイヤフラップ」を次の文言に置き換える。「ex 4012 90 30 タイヤトレッド」

(x) 「ex 4015 加硫ゴム製の衣類及び衣類付属品(手袋、ミトン及びミットを含む。)(硬質ゴム以外のもの)」の後に、次の文言を追加する。「(使用済み製品及び中古品を除く)」

(y) 「ex 4016 加硫ゴム製のその他の製品(硬質ゴム以外のもの。第40類に他の項で規定されていないもの)」を削除する。

(z)「ex 4017 硬質ゴム(エボナイトなど)のあらゆる形態(廃棄物及びスクラップを含む)、硬質ゴム製品」の項目の後に、次のテキストが追加される:「(使用済み製品及び中古製品を除く)」(指令2008/98/EC第3条第(1)項)(使用済み製品及び中古製品を除く)

 タイヤ以外のゴム製品はこれで相当数 EUDR対象品からはずれました。但しゴムコンパウンド、単純なゴム板、未加工の加硫済みゴム材料品は、まだ対象品です。合成ゴムが原料のゴムコンパウンド、ゴム板は、どうやって申告するのかまだきまってません。これは問題ですね。EU政策担当者はRUBBER COMPOUNDはすべて天然ゴムだと思っていて、合成ゴムのCOMPOUNDはRUBBERではないとかんがえているのでしょうかね?

 EUDR規制は本当に2026年末に開始されるでしょうか?すでに2回延期されています。今回延期されると、実質不成立になるかもしれません。 天然ゴム関係者、タイヤ会社購買関係者といろいろと意見交換すると、どうも26年末に本当に開始するかどうかの可能性は50%程度、再度延期される可能性も50%あります。但しすでに26年末からEUDR規制が始まるとして、タイヤ会社はEUDR認定の天然ゴムを6月から購入を始めています。日本向けでもEUDR認定品の天然ゴムを使用始めています。それは、日本の工場でEU輸出製品やそれ以外かを製造ライン、原料倉庫、製品倉庫で区別することが難しく、それであれば、全部EUDR認定の天然ゴムを使おうということだそうです。精練ラインなんか、EUDR専用にすることはほぼ不可能ですね。

 EUDRに対応した天然ゴムは、タイ、ベトナム、コートジュボアールで生産が始まっています。

ベトナムでは国営会社VietnamRubberGroupでは2025年よりEUDR認定品の天然ゴムの供給を始めています。

加藤事務所と加藤産商では、EUDR基準の天然ゴム(ラテックスグレード)を輸入販売をしています。

ベトナム VRG社の天然ゴム農園

VRG社Truong Minh Trung副社長がEUDR対応天然ゴム供給を始めたと説明 2024年 VRG ChuSeiRubberのサイトより

来週8月18日からベトナムに出張してきます。VRG本社の幹部と会い、DongNai工場、天然ゴム採取の現場まで訪問し、EUDR生産の現場を確認してきます。