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イラン紛争、ゴム業界へのその後の影響

2026年2月末に始まったイラン紛争、ホルムズ海峡の封鎖は現在どうなったか?依然ホルムズ海峡は封鎖されてままです。確かに3-5月は日本に輸入される原油、ナフサは中近東産のものは極端に量がへりました。その代替品として、ナフサは米国、アルジェリア(北アフリカ)、その他EU.,中南米から輸入され、量的にはなんとかぎりぎり玉が切れることを回避しました。ただし価格が倍近くになりました。そのナフサが5-6月に輸入されてきました。国産ナフサ価格は、1-3月が¥65700/klでしたが、4-6月の国産ナフサ価格は¥118900/klとなり、7-9月のナフサ価格はたぶん¥98000/klぐらいになるでしょう。

実際以下のグラフがアジアのブタジエン価格、日本輸入ナフサ価格、アジア合成ゴムSBR1502価格です。これは成約ベースの価格ですので、輸入実績価格はこの1から2か月遅れで輸入通関され、それが国内ナフサ、ブタジエン価格となります。

ナフサ価格(US$)は26年2月末のホルムズ海峡封鎖によりアジアで$600/MTから価格高騰。4月が$1150/MTとピーク。その後米国-イランの暫定交渉を見越して、価格が$650/MTまで下がりました。しかし7月8日以降、ホルムズ海峡再封鎖、フーシ派の攻撃で、原油供給不安でまた$970/MTに上昇しましたが、その攻撃がちょっと落ち着き、現在の価格は$910/MTぐらいです。

ブタジエン価格は26年1月$1000/MTから上昇し、2月に$1300/MTであった。ホルムズ海峡封鎖で高騰し、3月末に$2700/MTに。その後、ナフサがアメリカ、アルジェリアからの輸入量が増え、価格が落ち着き、ブタジエン価格も$1200/MTまで下がりました。しかし7月以降ナフサ価格が上がってきました。ブタジエン価格はアジアでやや余り気味で、ナフサ価格ほど上がらないと予想しています。現在$1550/MTとなっています。

4月がナフサ、ブタジエン価格のピークでしたが、その後 60日間のホルムズ海峡解放(実際には解放されたとは言えませんが)となり、価格はいったん下がりました。ところが、米国トランプ大統領とイラン大統領がお互いホルムズ海峡を再封鎖する と発表したので、中近東品の供給が不安定になり、そこから価格がまた上昇しました。ナフサでいえば、2月末から急激な上昇分が、いったん2/3は下がり、また1/3上がり、結果、2月からの上昇分の2/3が現在残っているといえましょう。

よってこのまま推移すれば、10-12月のナフサ価格は¥96000~¥100000/klぐらいになります。

7-9月が¥98000/kl、ブタジエンが7-9月はUS$1420/MTx¥161/$=¥229/kg.11月からの価格は前2四半期平均で¥240/㎏だとすると、ナフサ、ブタジエンフォーミュラ方式では、11月から合成ゴム価格がSBRがマイナス¥18/kg、BRがマイナス¥10/kg、NBRがマイナス¥27/kg、EPDMがマイナス¥16/kgぐらいになることを予想します。その後27年2月からの合成ゴム価格は、一転すこし上昇することが考えられます。それは、9月以降はナフサ、ブタジエン価格上昇が効いてくるからです。もちろん為替が円高になれば、ちょっと変わってきますが。

その後

ナフサの量的にはある程度供給が保たれています。不思議なことに、通関統計には、中近東からナフサが輸入されています。8月には、全体138万Kl中サウジアラビアから14.8万KL,クウェートから15.8万KL,オマーンから16.4万Kl、UAEから17.2万Kl輸入されています。価格はCIFで約¥82000/klぐらいか? たぶん9月の輸入価格はもっと上がるでしょう。どうやってホルムズ海峡を通過できるのか?ホルムズ海峡を船舶信号をOFFにして、夜間闇夜に紛れて通過し、その後オマーン沖で、通常のナフサ専用船に積み替えて、日本にやってくる。そんなルートがあると聞いています。闇の石油船がアラビア湾とホルムズ海峡外の間を往復しているのです。

以下のグラフが石油化学工業協会発表の毎月のエチレン工場の稼働率をプロットしたものです。

エチレン工場の稼働率は66%まで下がりました。通常この稼働率は80%程度で70%を下回ったら、安全操業上問題があるといわれてきました。4~7月は一部定修工場があった影響もありますが、とにかく最低稼働率で動かしていたことになります。それが8月に73.6%まで戻り始めました。定修が終了したこともありますが、ナフサがある程度調達できて供給できてきたことになります。

今後は、まだまだナフサ供給不安はつづくであろう。12月末までは、この状態が解決しないと予想します。つまり、ナフサ価格、さらにブタジエン価格は高止まり。いや8月より10月の方がやや高くなるでしょう。イランの出方によっては、来年、いやずっと中近東産ナフサ、いままで安かったナフサは、常に供給リスクを抱えながらの輸入となります。一方ナフサは価格が高いことをOKすれば、供給はできる、入手できることもわかりました。よって、平均価格でいえば、以前より高い平均価格で輸入されるということが予想されます。

来週は、EUDRが実際26年末から実際されるかどうかを聞きにドイツの製紙、木材関係の会社に行ってきます。