マーケット加藤’s EYE調達、購買資材

合成ゴム価格がどんどん上がる2021年11月、ガソリン価格からみたEPDM価格

原油価格が上がり続け、それにつづいて輸入ナフサ価格(US$ベース)があがります。さらに円安もあり国内ナフサ価格がどんどん上がっています。こうなると合成ゴム価格(ナフサリンク)も上がります。

11月にはEPDM、SBR, NBR、CRの価格が上がります。さらに2022年2月から以下のナフサ価格水準を考えると、さらにEPDM価格は上がります。

2018年7月26日に加藤事務所加藤が日本ゴム工業会資材関係講演会で講演したなかに、ガソリン価格からEPDM価格を計算する(?)式を紹介しています。 以下のその時に講演資料のページです。

経験則として、よくあるEPDM価格(月数トンの注文量を想定していますが)を 「東京のガソリン価格(レギュラーガソリンの看板価格(¥/L)x2.3 + 54 =よくあるEPDM価格(¥/L)」と紹介しました。

2021年10月で考えると¥170/Lx2.3+54=¥445/kgとなります。今はもっと高い気もしますが。JSRの小口品だったらば、さらに+¥100/kgか? 

下のグラフは e燃費のサイトにあるこの1年間にガソリン価格の推移です。https://e-nenpi.com/gs/price_graph/2/1/0/

これをみるとこの1年間でガソリン価格は約¥28/L値上がりしました。EPDMはx2.3とすると、¥64/kg値上がりすることになります。 米国ではEPDM国内価格はこの1年間で¥120/kg以上値上がりになりました。それにくらべると日本国内のEPDM価格の値上がりはまだその半分ぐらい。米国では合成ゴム価格は原料コストだけでなく、需給バランスが加味されているからです。

SBR,BR,NBR,CRの価格は、ナフサだけでなくブタジエン価格の変動係数もあります。ガソリン価格とブタジエン価格はあまりリンクしていません。よってこれらはガソリン価格から計算することはできません。

原油価格があがると、つらえれて天然ゴムの価格も上がります。市場関係者が先物天然ゴム価格が今後原油価格UP=合成ゴム価格UPを連想して、買いを入れるからです。 と先週、日本経済新聞の記者の方に説明しました。

カーボンブラックも11月から上がりました。さらにゴム薬品の値上がりが今後やってきます。中国では9月からゴム薬品の高騰、不足が発生しています。電力不足がその原因です。これがそのうち日本のゴム薬品市況にやってきます。どこまであがるのか。心配です。