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ウクライナ侵攻の影響、国産品への回帰の動き

3月26日現在ロシアによるウクライナ侵攻問題は解決しておらず、膠着状態になっています。ゴム原材料供給にもいろいろと影響がでてきています。

ロシア製カーボンブラックは、欧州地域では結構使われています。ロシアでの生産の半分以上が欧州に出荷されており、それが現在供給、輸送が止まり、そのため欧州のタイヤ、ゴム工場は代替品の手当てに追われ、その影響がインドのカーボンブラックメーカーまできています。

3月になり、日本の大手ゴム会社では、欧州品にかぎらず、アジア品を含め「輸入品」を使用することのリスクを意識始め、「国産品」に回帰する動きがでてきています。最近の国際輸送の遅れにくわえて、カントリーリスク、供給が止まる、支払いができないというリスクを考え、遠い国に紛争であっても、現在のようにすべてのゴム原材料の需給バランスがタイト化している状況では、数か月遅れで、中国、アジア、北米から購入しているゴム原材料にも価格アップ、供給制限、納期遅れが発生することを実感してきています。安いから海外から購入してきましたが、供給が止まったらどうなるか、高くても国産品の方が安心ということです。

海外工場をたくさん持っている、タイヤメーカー、大手ゴム自動車部品メーカーではその動きがでてきています。

一方国内メーカーは生産部門の人員を削減してきているので、急に受注が増えても、すぐには対応できません。またこの動きが一時的なものなのか、恒久的なのかも疑問になっています。ある程度長期購入計画を示してもらわないと対応ができないと考えます。

また中国品への不信感もあります。政府命令により、環境規制、新型コロナ、電力不足、政府間のギクシャク等の理由で、急に供給工場が停止する苦い経験を受けているので、ロシアの大統領と中国の国家主席のやり方がダブって見えてくるのでしょう。

先日ブリヂストンの定時株主総会に参加しましたが、ウクライナ問題に対する株主からの質問がでていました。株主、ファンドからもみても関心が高いのでしょう。

ウクライナ問題は、タイヤゴムの世界にも影響を与えています。