出張期間 2021年11月27日～12月5日（５日～11日まで隔離）
出張目的 Carl Ziess社 タイヤ試験機Intactの技術研修
昨年より当社がCarl Zeiss社製タイヤ試験機（商品名：Intact）の販売サポートの代理店を務めることになった。そのため実機を使用したトレーニング及び先方技術者と顔合わせをする技術研修を受けることが必要となり、コロナ禍ではあるが今回の海外出張となった。いろんな制約や準備が必要な中で、この時期海外出張への不安はあるものの、仕事への情熱を胸に出国した。
Carl Zeiss社の事務所入り口 初日に建物に入る際に受付の人に、ワクチン接種証明を提示してマスク着用義務について説明を受ける。ただし、打合せの部屋に入るとCarl Zeiss社の担当者はすぐにマスクをはずした。お前も外していいよと言われたので自分もマスクを外す。オフィス内でマスクを外すのはなんだか違和感があった。
これがデモ機として使用した、現行型Intact1200-4。この機械はシェアログラフィーという特殊な技術を用いてタイヤの中にある目に見えないエアだまりなどの欠陥を検出することができる試験機である。今まで日本のタイヤ工場で見てきた旧型機とは若干見た目も異なる。一番異なる点は測定ヘッド（カメラ）の数が4個タイプのものが開発されたことである。（測定ヘッドの数は1/2/4から選択可能）
まずは実際にタイヤを入れて動かしてみた。感覚的な説明をすると部分部分で最適化がされていて非常にスムーズな動きをしていると感じた。旧型機と比べて稼働時の騒音が静かで、測定ヘッドが4個タイプの機械はタイヤ1個当たり2分で検査が可能になっている。なお、現在新型機も開発中でそれはさらに早く、約50秒で検査可能とのこと。
インラインでタイヤの検査数が多い工場ではこれらの測定ヘッドが多いタイプが非常に有用である。
さらに新型Intact1600-2も見学した。Intactシリーズには現在Intact1600とIntact1200がある。その違いは検査可能なタイヤサイズで簡単に言うとIntact1600の方がACタイヤやTBタイヤなど大きいサイズのものを検査できる。
これらのデモ機を使ってソフトウェアの使い方や部品の交換修理、メンテナンスに関するトレーニングを受けた。とはいえ部品の数も多く今回だけで完璧に対応できるわけではないため、メーカーと引き続き協力して必要に応じて再度トレーニングを受けるなど、今後は日本のユーザーに対してサポート体制を強化して、販売拡大を進めていく。
4日間の研修が終わりミュンヘン市内に移動。
日本入国にももちろんPCR検査が必要なため、空港で検査して結果が出るまで1日待たなければならない。
結果待ちの間、近場の観光に出かける時間があり、余談になるが、コロナ禍でのドイツの状況はどうなっているのか紹介したいと思う。
中心地の大通りの様子、人通りはかなり多く賑わっているがマスクを着けている人はほぼいない。ただし、お店や電車等の中では不織布ではないFFP2？などのマスクをつける必要があり、飲食店ではさらにワクチン接種証明が必要だった。ドイツ人はスマホで提示していた。
夜お酒を飲もうと入ったお店はこの混雑状況。
みんなコロナなど気にしていない様子で乾杯して盛り上がっていた。
さて、PCR検査の結果が出て、予定通りの便で帰国。帰国できたのはよかったがここからが地獄だった。
自分で予約した成田空港付近のホテルで数日滞在した後に自宅で隔離する予定だったが、ちょうどオミクロン株が出てきた頃で、水際対策が急に変更されていた。空港内で指定の隔離施設に6日間滞在してもらいますとの指示。その後PCR検査を受けて結果待ちなどもろもろに時間がかかり、隔離ホテルに着いたのは飛行機が到着してから約10時間後の朝4時ごろ。
長距離フライトの後でこれはかなりしんどい。さらに最悪なのは、隔離施設の場合酒の持ち込みが禁止。それがどうしてもしんどかった。 毎日3食決まった時間に弁当が部屋のドアにかけられるが、この弁当がまた冷たくもちろん電子レンジもない為あまりおいしくはない。しかし、無料で配られるだけ感謝するべきなのだろう。
隔離中の健康観察も毎日する必要があり、GPS報告だけでなく、たまにテレビ電話で現在位置も確認される。
それでも何とか6日間を乗り切って自宅に帰りつくことができて、入社後初の海外出張が終わった。 この時期に短期で海外出張行く人間はそれほどいないと思う。家に帰って、今回の海外出張では貴重な経験だったと思い返しながらも、さらに１週間ほど自宅隔離。帰国後計２週間の隔離生活の後、翌日からは研修の成果を仕事に活かすために、通いなれたオフィスへ元気よく出勤した。
