天然ゴムの価格が少しずつ上がり始めています。東南アジアは天然ゴムの減産期にはいり、全体で生産が15%程度減る期間がこれから5月まで続きます。世界生産N3のベトナムでは2-5月は基本は生産が止まります。一方需要が北米はインフレ懸念、半導体不足により自動車生産が増産できない事態、また欧州ではエネルギー高騰による経済低迷で、さらに中国は新型コロナ拡大による今後の不安感による、タイヤ生産(需要)に将来の不安感があり、半年先の需要が盛り上がっているわけでもありません。しかし目の前の需給は引き締まり感があり、春に向けて価格が上がり始めているのではと思います。1月27日の日本経済新聞朝刊、商品マーケット面には加藤事務所加藤のコメントも以下のとおり載っています。旧正月明けの中国の新型コロナの拡大か収束かが気になります。これで天然ゴム相場も動きが変わるでしょう。
米国No1のゴム練り会社HEXPOLによると、LION ELASTOMERS社が米国南部の工場で寒波によるフォースマジュールを宣言し、またZEONもNBRでフォースマジュールを出して現在凍った配管を修理中だとのこと。それほど長期間の停止にはならないと思いますが。
日本でも日本ゼオンが徳山工場(SBR,BR,NBR)では発電・蒸気製造設備の煙突に不具合(すすが飛散)があり、30日間程度停止するとの発表がありました。
昨年は全世界では意外に天災による合成ゴム生産の停止が少なかったのですが、今年は北米の寒波(まだ米国北部で寒波が猛威をふるっていますが、石油化学が集中する南部で大寒波がくるかどうかが問題です)が心配です。
2022年10-12月の国産ナフサが¥72400/KLと発表されました。7-9月の¥81400/KLより¥9000/KL安。これで2023年2月からフォーミュラー価格ではEPDMは¥22/kgぐらい安くなるはず。NBR,SBRも¥25~35/kgぐらい安くなるでしょう。 一方カーボンブラックでは、原料は安くなりますが、一方ベース価格値上げが発表されています。カーボンブラックの原料価格が原油連動価格、石炭連動価格より高くなりつつあり。特に北米ではタイトなマーケットが続いています。
電気代が大幅に上がり始めています。このため、ゴム練り会社では製造コスト(練りコスト)が2021年に比べて大幅に上がりはじめています。練り会社にとって、電気代は大きなコストです。タイヤ会社も4月からの値上げを発表しました(ブリヂストンとTOYOTIRE)。値上げの理由はユーティリティー(電気代、燃料代)のコストアップです。ゴムは、混練りして、加硫して製品を作ります。たくさん電気、燃料を使います。さらに今後の脱CO2を考えると、これらのコストがさらに上がります。ゴム、タイヤ産業は自動車会社(自動車の組み立て工場)よりもっとエネルギーを使うのです。
2023年1月26日には日印協会120周年記念パーティーがあり参加しました。加藤事務所はインドに合弁会社(樹脂コンパウンド会社)を持っており協会の会員になっています。在日インド大使、協会会長(菅義偉前総理大臣)、元協会会長(森元総理大臣)、岸田総理大臣も参列されていました。