もし住友化学が日本でのEPDM生産をやめてしまったら? という仮定の話をすると。(2021年8月26日)
2021年8月下旬現在 世界中でEPDMの供給がタイトになっています。昨年新型コロナで合成ゴム需要が減ると思い、EPDM各社は製品在庫を減らしました。しかし秋以降需要が急速に戻り、さらに三井化学の予期しない生産停止や地震による停止、さらに米国EPDMメーカー3社とも2月のテキサス寒波で3週間工場が止まり、EXXON社の春のフランス工場閉鎖と供給が不安定、タイト化しています。
もし住友化学がEPDMの国内生産を将来(2023年3月に)終了することになった場合には、今からその代替グレードを選んでいきませんと、試作、製品テスト、承認が間に合わなくなる可能性があります。
住友化学のEPDM エスプレンは 米国ユニロイヤル社のEPDM生産技術です。チーグラーナッタ型バナジウム系触媒型の重合方法です。このユニロイヤルのEPDM技術は住友化学の他には米国LION ELASTOMERS社、中国SK(韓国系)の2社がライセンス供与を受けていて、これらの2社は住友化学EPDMとほぼ同じグレードを生産しています。以下のグレード表はLION ELASTOMERS社のEPDM ROYALENEです。
加藤事務所では10年以上前から 米国LION ELASTOMERS社(旧名LION COPOLYMER社)のEPDMを国内ユーザーの求めに応じて輸入、在庫、販売をしています。大手ウェザーストリップ各社にEPDMを提供してきていました。
もし今後住友化学EPDMに近いLION ELASTOMERS社のEPDMをご入用、テストしてみたいということであれば、(株)加藤事務所 営業部までご連絡ください。2021年8月現在、新規ユーザーへのEPDM提供は玉繰りの関係ですぐには難しいかもしれませんが、2023年までにはまだ時間があります。
下の写真は加藤がLION COPOLYMER社(現在 LION ELASTOMERS社)のEPDM工場 Geismer工場と技術センターに2010年に訪問したときの写真です。製造は3ラインあります。製造ラインを見学し、技術的な打ち合わせをしてきました。また近くの街はニューオーリンズで、音楽の街で、ミシシッピ川河口の街です。本物の蒸気船で観光しました。